震災と原発事故による避難生活で、心にストレスを抱える住民のケアについて考えるシンポジウムが、12日、福島市で開かれました。これは、避難生活の長期化に伴って、うつ病やトラウマなどの心に問題を抱える住民が増えていることから、県立医科大学が開いたもので、福島市の会場にはおよそ50人が集まりました。
はじめに、県立医科大学の前田正治教授が、避難住民を対象に行ったアンケートを紹介しました。
この中で、「子どもを福島で生活させていることについて、県外の親戚に責められて辛い」とか、「避難先から戻っても、福島に残った人から冷たい目で見られている気がしてしまう」といった、放射線の影響に対する考え方の違いをめぐって、多くの住民が悩みを抱えていると報告しました。
また、阪神・淡路大震災で被災者の心のケアにあたった、精神科医の加藤寛さんが、「阪神大震災の時には、仮設住宅から復興住宅に移った住民は、ストレスが軽減して、うつ病のリスクなどが減った。福島でも生活の安定を早期に得ることが重要だ」と話しました。
前田教授は「心のケアは解決に長い時間がかかり、最近は支援している側のストレスも深刻になってきている。専門家同士が連携して解決していきたい」と話していました。
02月13日 12時44分